Life-Explore ~人生を探求しよう~

心と身体を健康に保つためには、運動・食事、そして心の栄養が大切だと考えます。

出産後のランナーのための留意点

NSCAについて

僕が保持しているパーソナルトレーナーの資格は、NSCAという団体が発行しているものです。

www.nsca-japan.or.jp

NSCAは他の多くのスポーツ関連団体と異なり、スポーツ科学、各スポーツ競技、医療分野、フィットネス分野などの様々な専門家グループと共に、スポーツパフォーマンスとフィットネスの向上を目的とした、適切なストレングストレーニングとコンディショニングの活用という共通のゴールを目指して活動しています。

 ※NSCAのホームページより引用

 

日本国内においては、パーソナルトレーナーという肩書は「いつでも」「誰でも」名乗ることができます。

特段、それを仕事にするからといって必要な資格があるわけでもありません。

もちろん資格をもっていることと良い指導ができることは、全くの別物です。

資格取得後も学びを続けていくことが大切ですし、何よりクライアントの安全・運動効果・健康のために自身を高めていくことが必要です。

NSCAでは定期的に単位を取得しなければ、ライセンスを維持することができません。

また、定期的に発行される機関紙もあり、そんな中から情報共有をしていきたいと思います。 

出産後のランナーのための留意点

 

NSCA/JAPANが発行している「Strength & Conditioning Journal」の7月号に、「出産後のランナーのための留意点」というトピックが掲載されていました。

2018年の日本国内のランニング人口は964万人と推計されています。

ジョギングランニング人口 - 調査・研究 - 笹川スポーツ財団

 

ウェアとシューズさえあれば始められる手軽なスポーツですし、国内各地で大小問わず様々なマラソンやランニングイベントが開催されるようになりました。

そういった大会に出場することを目標に日々走っているランナーにとって、今年はレースの中止が相次ぎ残念なシーズンになりますね…。

僕の妻様もフルマラソンを数回完走しています。

4時間ジャストで走っていましたが、出産を経験し、それからはまだ走っていません。

走りたい欲はかなりあるようですが、やはり子供優先となってしまうため、走るためのまとまった時間の確保やトレーニングをしたりする時間をとれないのが現状です。

多くのお母さんがそうであるように、産後は授乳や夜泣きの対応等、どうしても自分のリズムで生活をすることができない時間が続きます。

だからこそ子育てにおいては男性側のサポートが大事になりますね。

 

骨盤底筋

妊娠・出産という時間を経て、女性の身体には大きな変化が起こります。

完全に産前の状態に戻るためには長い方で2年間ほどを要するそうです。

そしてランニングをするためには、お母さん自身が子育ての中で睡眠がとれているのか、疲労のコントロールができるか…等、かなり大きな障壁があります。

妊娠中に「骨盤底筋」という筋肉に大きな変化が起こります。

骨盤底筋はハンモックのように内臓を支え、姿勢を保持したり、排尿のコントロールをしたりといった働きがあります。

妊娠により「骨盤底筋」が緩み、産後のランニング中に尿失禁を経験する女性が40%程度いるようです。

またランニング中は、足が接地するたびに体幹部へ力が加わります。

骨盤底筋が姿勢の保持にも関与していることから、安定した姿勢で走るためにも骨盤底筋のトレーニングは大切になります。

 

姿勢の変化

そして妊娠時に大きくなる赤ちゃんに対応するために、靭帯が緩みます。

産後も授乳により長期に渡り、ホルモンの影響によって靭帯に影響を与え続けるようです。

その靭帯の緩みから、いわゆる「反り腰」のような姿勢になってしまいます。

・胸が開く

・腰が反る

・骨盤が過度に前に傾く

こういった姿勢も骨盤底筋の機能低下や、コアの筋力低下につながります。

それがランニングにおける股関節の痛みや膝の痛みにつながるため、まずは姿勢の改善が必要になります。

また、上記の姿勢では呼吸も浅くなるため、ストレスを感じやすくなります。

そういった観点からも呼吸の改善・コアの筋力強化・骨盤底筋の活性化が不可欠です。

 

産後いつからランニングを始められるのか?

これに関しては、「医師の了承を得てから」ということになります。

・それまでの運動経験

・妊娠中の活動量

・経膣分娩か帝王切開

・尿失禁があるか

このあたりが参考となるようです。

 

また、走るための身体作りも大切です。

前述のように呼吸機能が低下している状態だと、よくない姿勢で走り続けることになるため腰や膝等への悪影響が考えられます。

そのために、まずは適切な呼吸機能を獲得すること。

そして、走るために必要な筋力トレーニングをすること。

筋力トレーニングを行う過程で、いわゆる「コア」の筋力も鍛えることができ、姿勢の安定にもつながります。

 

産後のお母さんは自分の時間をとることが、まず大変なことです。

それは3人の子供を出産してくれた妻を見ていて強く感じます。

絶対にどんなに逆立ちをしても、男性は女性にかないません。

やはり「出産」をできるということは、この世に命をつなぐことができるということ。

そんな機能をもっている女性は凄いです。

だからこそ夫婦で助け合い、子育てをすることがまず大切なことだと思います。

そしてランニングに限らず、身体を動かすことは精神衛生上とても大切なことです。

そしてせっかく身体を動かすのであれば、安全に楽しく続けてもらいたいですね。

 

◆池田幸平(イケダコウヘイ)

◆NSCA-CPT(パーソナルトレーナー) / 分子栄養学認定カウンセラー

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池田幸平/パーソナルトレーナー・分子栄養学カウンセラー|note

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